洋服屋の事情…

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今日の朝、お世話になっているリフォーム屋さんへ行ってきました。
私達、洋服屋の業界ではセール時期と言う事もあってちょっとした雑談を交わしてきたのだが、やはり、この町の衣料品業界は良くないようだ。特にメンズ。

私自身それなりの年月この商売をやっているが、年々この町からメンズ衣料が減っていっている気がする。特に大人の男性の小洒落た服が少ない。

リフォーム屋が言うには某ファッションビルのメンズの状況はヒドイらしい。全然売れず、撤退→新規店を繰り返しているだけだと。実際この町の繁華街に店を構えると半年持てば立派で大半がすぐに店を閉めてしまう。これは恐らく家賃が高すぎて維持出来ない事や、地方特有の駐車場の問題もあるのだろう。(都内でも問題になるのかも知れないが)

こちらの百貨店の中には、明らかにメンズ切りと思われる百貨店まである。レディースはそれなりに面白いブランドを置いているのにメンズはメンズ専門はホトンド無くユニセックスのブランドか大衆スポーツウェアメーカーくらい。ようは奥様が旦那の服を選び、そ~いったお客様を取れれば良いのだろう。赤字になるかも知れないメンズブランドは抱えたくないのかな?

そんな状況でふと思うのだが、この町の人達はどこで服を買っているのだろうか?別に私は私の店が一番などと思ってはいないが、そ~思ってしまうくらいメンズ屋さんが少ない。やはり、大半の方達が大衆的な量販店で購入されるのだろうか?当然、私自身も量販店を使う事もあるのだが、やはりそれだけでは嫌だ。右を向けば同じパンツで左を向けば同じトップスなんて絶対にイヤだ。

しかし、メンズ屋が減っているという事は、それでも良いと思っている方も多いのだろう。男がお洒落するなんて、女々しいという考えなのか?奥様方は旦那さんはお洒落じゃなくても良いと思っているのだろうか?女性は『女』でいる為にお洒落が当然だと言う。男性も同じではいけないのだろうか…。

最近はチョイ悪オヤジという言葉も定着して、お洒落なオヤジが増えた等と言われるが、実際は違う。都内ではそうかも知れないが、地方まで中々浸透しない。以前、某雑誌社の方ともお話したが、年配向けファッション誌で売れている雑誌は少ない。それが現実なのだろう。それに仮にあの手のファッションが人気が出たとしても、高級なインポートブランドばかりで国内で真面目にやっている小さなブランドには日が当たらない。ヨーロッパ等の高級ブランドは確かに質の良い物あるし、何よりも所有感があるかも知れない。でも、庶民の買える金額じゃない。国内でも沢山良い物を作り、価格も買いやすいブランドはあるのに、何故そ~いったブランドに日が当たらないのだろう…

全国で見るとどうなのかは私には分からないが、この町で見ていると大衆ブランドと高級ブランドの中間にいるブランドは無くなってしまう気がしてならない…。

洋服なんて、安い物が良ければいくらでも安い物はあると思う。でも良い服は必ず違いが分かるし、せめて自分の好きな世界の中だけでもカッコつける男性が増えて欲しいと思う。ゴルフが好きな方ならゴルフの時だけでも、釣りが好きな方なら釣りの時だけでも、私のようにバイクが好きならバイクで動く時だけでも、食べ歩くのが好きなら行くお店にふさわしい格好で、奥さんが好きなら奥さんの前ではカッコつけられる男性が増えて欲しい…

そうすれば、メンズ衣料に活気が出ると思うんだけどなぁ…
そして、男性には女性とは違う流行に捕らわれない『ライフスタイル』的なお洒落をして欲しい…

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